映画やドラマ、アニメで見たことのある「ボディーガード」についてご紹介いたします。
目次
1.ボディーガードについて
ボディーガードは、主に民間企業(殆どが警備会社)や個人(フリーランス)が提供する身辺警護サービスのことです。
警護の対象者は、
企業の役員
政治家(警察の警護対象以外)
有名人、著名人
トラブルを抱えている一般の方々(ストーカー、DV被害者、子供など)
と幅広く該当します。
不安や恐怖を感じている人が安心して生活を過ごせるよう、側でその人の安全を守るのが仕事です。
国内でボディーガードを業として行うには、公安委員会の認可を得なければなりません。勝手に行ってはいけない仕事なのです。
2.ボディーガードと要人警護の違い
ボディーガードは「民間の身辺警護警備(ボディーガード)」、要人警護は「警察の身辺警護警備」で分けられることが多いです。
ボディーガードも要人警護も、人を守る仕事です。
「守り方」、「警護の考え方」は多くの部分で同じです。
では、ボディーガードと要人警護の違いは何か?
まず立場が違います。
ボディーガードは、会社所属の従業員、フリーランスで活動していたとしても一般の社会人です。
一方、要人警護は、主に警視庁警備部警護課の「SP(セキュリティ・ポリス)」が行っていて、所属は警視庁。つまり地方公務員です。
立場が違えば、与えられている権限にも違いはあります。
警視庁のSPの場合、拳銃の所持、車列警護時の交通規制が可能などの権限があります。また、警察官として認められている権限も当然有しています(職務質問など)。
しかし、ボディーガードにそれらは許可されていません。
ボディーガードは、一般私人と何ら変わらない立場でしかないのです。特別な権限は一切ありません。
ボディーガードが持っている「警戒棒」についても、民間は「護身用」として所持が許可されている反面、警察は「武器」として所持しています。
護身用と武器だと使用方法も異なりますし、用具の強度も違います。
警護の対象者にも違いが有ります。
警視庁SPの警護対象は、国や政党などの一定のポストに就いている要人で、法律(要則・規定)で定められている役職の方々を護るのが使命です。
警察…生命身体に危害が及ぶと、国の公安に係ることとなるおそれのある人を警護する。
民間…何らかの理由により警護を必要とする人の、依頼に基づき警護する。
3.ボディーガードの資格
ボディーガードの実務に必要となる国家資格は存在しません。
しかし、ボディーガードの資格で検索すると、「海外で認定されている○○」や「△△協会認定」など独自で発行している資格について目にされた方もいらっしゃるかもしれません。
それらの資格はあくまでも発行している協会や組織内でしか通用しない民間の資格です。
現状では、警護スキルを広く証明する資格は存在しないというのが現実ですので、この点、要注意です。
民間の資格でも、TOEICのような幅広い分野で認められている資格であれば、仕事でも優位に働く可能性があると思いますが、警護の民間の資格を持っていても日本政府(防衛省・警察庁等)はもちろん、民間の大手警備会社も全く重視していません。
4.ボディーガードになるための入り口
前述のとおり、ボディーガードは「民間の身辺警護警備」と認識されているので、まず身辺警護サービスを行っている警備会社に入社することです
が!
入社して「ボディーガード業務がやりたいです!」と会社に伝えても、しっかりとした会社ほど、まずやらせてもらえないと思っておいた方がいいでしょう。
ボディーガードの仕事は、失敗したら一大事という意識が会社にはあります。
やる気だけではボディーガードの職につけない、と考えておくべきです。
では、どうすればボディーガードの仕事に従事できるか
ボディーガードの仕事は、人の生命・身体に直結する仕事です。
ボディーガードになりたい!と強く希望しているのであれば、身辺警護のスクール、教育機関で専門の指導者から専門の知識、スキルを学び、身につけた上で会社に入社した方がベストです。結局は近道です。
ここで注意したいことは、会社によっては「入社後、プロのボディーガードがイチから教育をします」と、人材募集を行っているところもあります。
しかしプロと書いていても、実際はその会社(教える側)に高い警護スキルがないという問題が実に多くあります。「自称プロ」が多すぎる世界でもあるのです。
5.ボディーガードの展望
ボディーガードは体力勝負だから若い人向けの仕事だと誤解されがちですが、実は若すぎると逆に難しい仕事でもあります。
ボディーガードの仕事は、体力や技術だけでなく、信頼される人間性も重要です。相手の気持ちを理解し、冷静かつ誠実に対応できる人格が、真のプロフェッショナルとしての価値を高めます。
尚且つ、頭も使うことが多い仕事なので、年齢を重ねても第一線で活躍できる仕事です。
頭を使い、クライアントを危険な目に合わせる前に対処できた、というのが理想的な警護なのです。
高い警護スキルを身につけることにより
警護警備会社所属のボディーガードとして活躍
警護対象者に直接雇用される専属ボディーガードとして活躍
多方面から依頼を受けるフリーランスとして活躍
独立して自身が警護会社を設立
ボディーガードを育成する指導者・教育者
企業の危機管理やリスクアドバイザーとして活躍
など、活躍の場が広がります。
日本は他国と比べれば確かに安全な国です。しかし、犯罪が完全になくなる世界は存在しません。だから、ボディーガードが必要とされるのです。
安心して日常を過ごすことができるために、ボディーガードはクライアントを陰から支える役割を果たしています。
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